蕪栗沼・周辺水田(かぶくりぬま・しゅうへんすいでん)
- マガン、ヒシクイが日本で最も多く越冬する、穀倉地帯の遊水池と周辺水田
- 湿地のタイプ:堰止湖、水田
- 位置:北緯38度38分、東経141度06分/標高:5.7m/面積:423ha
- 保護の制度:国指定鳥獣保護区
- 所在地:宮城県栗原市、登米市、田尻市/登録:2005年11月

湿地の概要
条約湿地の蕪栗沼と周辺水田は、宮城県北部を流れる北上川の支流、迫川(はさまがわ)の流域にある遊水機能を持った堰止湖の蕪栗沼と、沼と密接な関係にある周辺の水田地帯とをひとまとまりの湿地生態系として登録されている。水田はラムサール条約でいう湿地の1タイプで、日本の最大の湿地は水田ということになる。
面積150ヘクタールほどの蕪栗沼は、かつては1000ヘクタールを超える北上平野の氾濫原にある沼だった。その後、沼は干拓され、水田に姿を変えた。しかし依然として洪水、氾濫が繰り返されたため、あふれた水を一時的に貯めるための遊水池として、再び沼に復元された。これが現在の蕪栗沼である。
沼では、マコモ群落からヨシ群落、ヤナギ群落へと植生が移行する低地性湿地の典型的な様子を見ることができる。タコノアシ、ミズアオイ、アサザなど希少な植物も生育している。魚類ではゼニタナゴ、メダカなどが生育している。
ガン・カモ類の越冬地:
平均水深が50cmと浅く、周囲が開けていて、後背地に水田が広がるという、水鳥にとって絶好の越冬環境をもつ蕪栗沼には、毎年、冬になるとガン・カモ類2万羽以上が渡来する。とくにマガンは東アジア個体群の個体数の1%以上がここで越冬している。「東アジア地域ガンカモ類重要生息地ネットワーク」に参加。
ガンやヒシクイの良好な越冬環境を守るため、地元では、沼の水の管理、清掃、水路の整備、水質の改善など、様々な取り組みを行っている。なかでも、冬も田んぼに水を張る「ふゆみずたんぼ」の普及は、湿地と生物多様性の保全への農業の新たな役割として注目されている。
こうした運動を支えるための地元住民へのアウェアネス活動も活発で、沼の東側に環境教育ゾーンを設け、子供達の環境教育プログラムが定期的に実践されている。
蕪栗沼の北にある伊豆沼・内沼もガンやカモの越冬地で、彼らは同じ環境の越冬地として往来、利用している。
【ふゆみずたんぼ】
蕪栗沼の周辺のいくつかの水田では、秋の収穫が終わると再び水田に水を入れ、冬の間も水を張った状態にしておく耕作法を実施している。雑草や害虫の侵入を抑え、水を張った田んぼがガンやカモのねぐら、餌場、休憩所になり、糞は田んぼの肥料となる。その結果、無農薬の良質の米が収穫でき、市場で高値で販売されるという一石二鳥の効果をもたらしている。
関連自治体
栗原市役所 Tel: 0228-22-1122
http://www.kuriharacity.jp/
登米市役所 Tel: 0220-22-2111
http://www.city.tome.miyagi.jp/
田尻町役場 Tel: 0229-39-1111
http://www.town.tajiri.miyagi.jp
当ページは湿地保全等の環境教育を目的に
下記、出典からの情報を掲載しております。

日本のラムサール条約湿地
━ 豊かな自然・多様な湿地と賢明な利用 ━
発行:環境省
http://www.env.go.jp/nature/ramsar_wetland/pamph02/index.html
