片野鴨池(かたのかもいけ)
- 300年前からの伝統的な鴨猟が伝承される小さな池
- 湿地のタイプ:淡水湖、水田
- 位置:北緯36度19分、東経136度17分/標高:2.5?8.0m/面積:10ha
- 保護の制度:国指定鳥獣保護区特別保護地区、国定公園特別地域
- 所在地:石川県加賀市/登録:1993年6月

湿地の概要
石川県の南端、福井県との県境に加賀市はある。片野鴨池は加賀市の西方、日本海から約1km内陸にある淡水の池である。2.5ヘクタールの大池と7.5ヘクタールの水田、ヨシなどの低湿地からなり、周囲をアカマツ、コナラ、タブ、スダジイなどにおおわれた標高30?50メートルの丘に取り囲まれている。大池にはヒシ、コウホネ、マコモ、ミズアオイなどが自生している。
鴨池の名前どおり、昔からこの池にはカモやガンなどが多数飛来し、越冬してきた。かつて鴨池の周りには同じような池や沼が点在していたが、江戸時代以降の農地開拓で、ほとんどが干拓されたり埋め立てられて水田となり、いまでは鴨池など数ヶ所が残されているだけになってしまった。
カモの池:
鴨池には毎年11月から3月、数千羽のマガモ、トモエガモ、マガン、ヒシクイなどが渡りの中継地、越冬地としておとずれる。マガン、ヒシクイの西日本最大級の越冬地で、「東アジア地域ガンカモ類重要生息地ネットワーク」に参加している。オオタカ、オジロワシなどの猛禽類も越冬する。湖畔にある鴨池観察館を中心に、こうした越冬環境の保全、管理、普及啓発、環境教育が、住民参加で活発におこなわれている。
伝統的な水管理と鴨猟:
片野鴨池は数百年前から周辺農地の灌漑用水池として利用され、人工的な水管理が行われてきた。夏の間は、大池の水を周辺の水田に配水して農業用水として利用し、稲の収穫が終わると配水をやめ、再び大池に水をためる。こうして冬の間は、開水面を拡大して、シベリアから渡ってくるカモやガンの利用しやすい環境をつくってきた。近年は冬の間、周辺の水田にも水を張る「冬みず田んぼ」が拡大し、水鳥の越冬環境が改善している。
鴨池では、こうして池に集まったカモを捕獲する「坂網(さかあみ)」という狩猟法が考案され、現在まで伝承されている。
【坂網猟】
江戸時代から続けられてきた投げ網によるカモ猟。カモは、昼は鴨池で休息し、夜になると鴨池周辺の田んぼへ落穂などの採餌に飛び立つ。この習性を利用し、日没時に池を取り囲む丘陵地の松林に身をひそめ、丘を飛び越える瞬間の鴨に網を投げ上げからめとるのが坂網である。捕鴨組合が猟期、猟区、捕獲数などを厳しく規制し、また周辺環境の維持保全に取り組んでいる。
関連自治体
加賀市役所 Tel: 0761-72-1111
http://www.city.kaga.ishikawa.jp/
当ページは湿地保全等の環境教育を目的に
下記、出典からの情報を掲載しております。

日本のラムサール条約湿地
━ 豊かな自然・多様な湿地と賢明な利用 ━
発行:環境省
http://www.env.go.jp/nature/ramsar_wetland/pamph02/index.html
