霧多布湿原(きりたっぷしつげん)
- トラスト運動を中心とした保全への住民参加とパートナーシップモデル
- 湿地のタイプ:高層湿原、塩性湿地、汽水湖、低層湿原
- 位置:北緯43度05分、東経145度05分/標高:0?3m/面積:2504ha
- 保護の制度:国指定鳥獣保護区特別保護地区
- 所在地:北海道浜中町/登録:1993年6月

湿地の概要
霧多布湿原は、北海道東部の太平洋に面した琵琶瀬(びわせ)湾、浜中湾の海岸線に沿って広がる、南北約9km、東西約3km、面積3168ヘクタールの湿原である。湿原の主要部分と、湿原の西にある火散布(ひちりっぷ)沼と藻散布(もちりっぷ)沼の474ヘクタール、合計2504ヘクタールがラムサール条約湿地になっている。中央部の803ヘクタールは、泥炭形成植物群落として天然記念物に指定されている。
北海道東部は日本でももっとも寒い地域で、霧多布湿原も冬は雪と氷に閉ざされ、夏は海面に発生する霧で日照が閉ざされ、年間平均気温も6?7℃と冷涼な気候にある。湿原の北部はミズゴケ湿原、スゲ湿原が発達し、南部にはヨシ群落が発達し、湿原の中を流れる河川は、海水の影響を受けてオオシナバナやアッケシソウなどの塩性植物が生育している。
湿原の凍結がゆるむ春、秋には多くの渡り鳥がここを中継地として利用する。タンチョウの重要な生息地でもあり、「北東アジア地域ツル類重要生息地ネットワーク」に参加している。また湿原の後背部森林と接しているため、エゾシカなどの大形哺乳類もしばしば湿原に姿をあらわす。
花の湿原:
5月?10月、なるとハマナス、ワタスゲ、ヒオウギアヤメ、クシロハナシノブなどたくさんの花々が霧多布湿原をいろどる。7月に湿原はエゾカンゾウで埋め尽くされ、一面オレンジ色に染まる。毎年恒例の「エゾカンゾウ祭り」には、全国から多くの観光客がおとずれる。
トラスト運動:
霧多布湿原の周辺の多くは私有地である。これらの土地を保全するため1986年、地元住民によって「湿原ファンクラブ」が結成され、湿原内の私有地を借り上げて保全する運動に取り組んだ。共感を呼び、全国から多くの会員が集まった。2000年には「湿原トラスト」へと発展し、私有地を買い取るトラスト運動が本格的にはじまった。
エコツアー:
地元の漁業組合、観光業者、NGOなどによるエコツアーが多数企画され、全国から多くの観光客がおとずれている。
環境教育の拠点となっている湿原センターでは、湿地の全容がわかる展示や自然観察プログラムを実施、また湿地の調査・研究に対して学術研究助成もおこなわれている。
【湿原トラスト】
日本で湿地を守る運動として初めてトラスト運動が導入されたのが霧多布湿原である。NGOの霧多布湿原トラストが中心になり、開発にさらされる周辺部の土地を借り上げ、買い上げてきた。現在293ヘクタールがトラストされている。
関連自治体
霧多布湿原センター Tel: 0153-65-2779
http://www.kiritappu.or.jp/center/
当ページは湿地保全等の環境教育を目的に
下記、出典からの情報を掲載しております。

日本のラムサール条約湿地
━ 豊かな自然・多様な湿地と賢明な利用 ━
発行:環境省
http://www.env.go.jp/nature/ramsar_wetland/pamph02/index.html
