宮島沼(みやじまぬま)
- 春と秋に5万羽をこえるマガンがおとずれる石狩平野の小さな沼
- 湿地のタイプ:淡水湖
- 位置:北緯43度20分、東経141度43分/標高:13m/面積:41ha
- 保護の制度:国指定鳥獣保護区特別保護地区
- 所在地:北海道美唄市/登録:2002年11月

湿地の概要
宮島沼は、札幌の北東50kmの美唄市(びばいし)の西に位置し、面積41ヘクタールの丸い形をした淡水湖である。水深は平均1.7mと浅い。流入河川はなく、周辺の水田からの流入と灌漑用水としての汲み出しがわずかにあるだけで、冬に降る大量の雪解け水と雨水によって維持されている。
沼の西側を石狩川が大きく蛇行して流れている。石狩川は、昔から氾濫をくりかえしてきた。そのたびに流路を変え、周辺に小さな沼を残した。宮島沼はその一つである。一帯は石狩平野上流部の、北海道有数の穀倉地帯で、沼の水は灌漑用水として利用されてきた。
マガンの中継地:
かつて原生林でおおわれていた沼の周りに、今はほとんど樹木はない。沼のほとりに立つと、360度、見渡すことができる。岸辺にはヨシが茂り、沼にはマコモやヒシが生えている。広々と開けた水面、餌の水草と後背地の水田。これが宮島沼の特長であり、渡り鳥にとっての財産である。
毎年、秋と春、ガンやカモ、ハクチョウなどの水鳥がこの沼に大挙してやってくる。宮島沼は我が国における最も重要な渡り鳥の中継地の一つである。特にマガンの飛来数は5万羽をこえ、東アジア地域個体群の個体数の1%を定期的に支えている。大陸からやってきたマガンはここで一時羽を休め、さらに南下して越冬する。伊豆沼・内沼や蕪栗沼(かぶくりぬま)などで冬を過ごしたマガンは、春、再びここに終結し、北帰行の準備をする。宮島沼は、彼らのライフサイクルの重要な位置を占めているのである。
鉛散弾銃規制:
かつて宮島沼は鳥獣保護区ではなかった。絶好の猟場だった。ところが1980年代後半、マガンやハクチョウの大量の衰弱死がつづいた。死因は急性鉛中毒だった。沼に放置される、狩猟用の散弾銃の鉛弾を飲み込んだためだ。大きな社会問題となり、狩猟団体は猟を自粛した。国は鉛弾を規制しスチール弾を奨励した。そして、ここを鳥獣保護区に指定した。2002年、ラムサール条約湿地に登録された。
【マガン】
全長72cm。暗褐色の中型のガン。腹に不規則な黒の縞模様があり、顔の前面は白い。北のツンドラ地帯で繁殖し、冬に日本で越冬する。宮島沼は秋には北からの到着駅、春には北へ帰る出発駅となる。
関連自治体
美唄市役所 Tel:0126-62-3131
http://www.city.bibai.hokkaido.jp/
当ページは湿地保全等の環境教育を目的に
下記、出典からの情報を掲載しております。

日本のラムサール条約湿地
━ 豊かな自然・多様な湿地と賢明な利用 ━
発行:環境省
http://www.env.go.jp/nature/ramsar_wetland/pamph02/index.html
