サロベツ原野(さろべつげんや)
- 日本最大規模のきわめて発達した高層湿原。多種多様な湿原植物、水生植物の宝庫
- 湿地のタイプ:高層・中間・低層湿原、淡水湖
- 位置:北緯45度03分、東経141度42分/標高:3-7m/面積:2560ha
- 保護の制度:国指定鳥獣保護区特別保護地区、国立公園特別保護地区および特別地域
- 所在地:北海道豊富町、幌延町/登録:2005年11月

湿地の概要
サロベツ原野は、北海道の北端、稚内市の南約40kmに位置する泥炭湿原で、その中心部の高層湿原など2560ヘクタールが条約湿地に登録されている。
かつては東西8km、南北27km、面積1万4600ヘクタールの広大な湿原だったが、1960年代以降の大規模開発で急速に減少した。それでも、サロベツ川が湿原の周りを周回していたため、水位の変動は小さく、栄養分の供給は少ないなど、高層湿原が発達する条件が整っていたために、平地の湿原としては日本最大級の高層湿原が残された。
湿原は西側の南北に走る砂丘で日本海と隔てられ、湿原中央部には、ホロムイイチゴ━イボミズゴケ群落、ホロムイソウ━ミカヅキグサ群落、ナガバノモウセンゴケ━ウツクシミズゴケ群落、ヌマガヤ━ホロムイスゲ群落など高層湿原、中間湿原、低層湿原が同心円状に発達している。そして南側にはペンケ沼、パンケ沼をはじめ大小の沼が点在する。
かつてサロベツ原野は大きな潟湖で、4000年ほど前から砂丘の発達によって海と遮断されて湿原の形成が始まった、その過程でできた海跡湖沼である。
色とりどりの湿原植物:
春から秋にかけ、サロベツ原野では100種以上の植物が花を咲かせる。ツルコケモモ、モウセンゴケ、ワタスゲ、ヒメシャクナゲ、エゾカンゾウ、ホロムイリンドウなど、色鮮やかな花々で湿原は埋め尽くされる。
北側のサロベツ原生花園とパンケ沼周辺には木道が整備され、これらを間近に観察できる。ビジターセンターが北と南に設置され、南側にはサロベツ原野を360度見渡せる展望塔がある。
渡り鳥の中継地:
ペンケ沼、パンケ沼は、水鳥の繁殖地、渡り鳥の中継地として重要で、オオヒシクイ、コハクチョウは東アジア地域個体群の個体数1%を定期的に支えている。シマアオジの数少ない繁殖地のひとつでもある。
湿原再生事業:
サロベツ湿原の一部では、地下水位の低下と地盤沈下によって湿原の乾燥化が進みササが進入し、面積を拡大している。そのため現在、湿原再生の取り組みがはじまっている。
【高層湿原】
低層湿原、中間湿原の発達をへて、泥炭の集積がさらに進むと地表が盛り上がり、降水や海霧など雨水だけで涵養される貧栄養性の高層湿原になる。
ミズゴケ類が優占し、貧栄養、過湿な条件で生育できるツツジ科の低木やモウセンゴケなどの食虫植物、小形のスゲ類などが群落を形成するようになる。
関連自治体
幌延町役場 Tel:01632-5-1111
http://www.town.horonobe.hokkaido.jp
豊富町役場 Tel:0162-82-1001
http://www.town.toyotomi.hokkaido.jp
当ページは湿地保全等の環境教育を目的に
下記、出典からの情報を掲載しております。

日本のラムサール条約湿地
━ 豊かな自然・多様な湿地と賢明な利用 ━
発行:環境省
http://www.env.go.jp/nature/ramsar_wetland/pamph02/index.html
