雨竜沼湿原(うりゅうぬましつげん)
- 大小無数の池塘が点在する標高850mの我が国有数の山岳高層湿原
- 湿地のタイプ:高層湿原
- 位置:北緯43度41分、東経141度36分/標高:850-900m/面積:624ha
- 保護の制度:国定公園特別保護地区
- 所在地:北海道雨竜町/登録:2005年11月

湿地の概要
札幌市からほぼ真北へ70km、増毛山地の暑寒別(しょかんべつ)岳の東側斜面の標高850m付近に広がるのが雨竜沼湿原である。火山の溶岩流でできた窪地に発達した、東西4km、南北2km、面積100ヘクタールほどの湿原である。全体として北西部から南東部にゆるやかに傾斜し、中央部をペンケペタン川が蛇行しながら貫流。湿原の東端で急斜面の崖となって、狭い峡谷を流れ下る。
この山群は標高1500m以下と高くはないが日本海に面して直立しているため、北海道内でも有数の豪雪地帯である。冬は3m以上の雪が積もり、半年以上にわたって湿原は雪に閉ざされる。この豊富な雪解け水が長い年月をかけて湿原を涵養し、尾瀬に次ぐ我が国第2の規模の山岳高層湿原を形成した。
多様な湿原植物群落:
雨竜沼湿原はヌマガヤ━イボミズゴケ群落、ヌマガヤ━ホロムイスゲ群落、ホロムイソウ━ミカヅキグサ群落、ウツクシミズゴケ群落などからなり、池塘にはホソバウキミクリ群落、カラフトカサスゲ群落、ミツガシワ群落、カキツバタ群落などの水生植物、川辺にはイワノガリヤス━コバイケイソウ群落と、多様な植生によって構成されている。確認されている植物種は約150種。どれもがきわめて自然度の高い状態で残されている。
6月?9月の夏のシーズンにはエゾカンゾウ、ヒオウギアヤメ、タチギボウシなどの花々が湿原一面に咲き乱れる。
しかし、なんといっても雨竜沼湿原を特長づけているのは、点在する大小100以上の池塘と、池塘に浮かぶ浮島の存在である。そして池塘は、エゾルリイトトンボや雨竜沼タイプといわれるベニヒカゲなどの希少なトンボ類、エゾヒメギフチョウなど湿原特有の多様な昆虫、動物たちを育んでいる。
外来種の駆除:
自然度の高いこの湿原を守るため、地元にはNGO「雨竜沼を愛する会」が結成され、定期的に外来植物のセイタカアワダチソウの駆除や、湿原入口に入山者のための靴底の洗い場を設置するなど、さまざまな保全、維持管理の取り組みをおこなわれている。
【池塘】
湿原にできる円形や楕円形などの、大小さまざまな形をした沼。高層湿原の形成過程でできたもので、枯れた植物が堆積する時に、湿原に凹凸ができて水がたまり、炭泥層の発達に取り残されて池塘となった。
関連自治体
雨竜町役場 Tel: 0125-77-2211
http://www.town.uryu.hokkaido.jp/
当ページは湿地保全等の環境教育を目的に
下記、出典からの情報を掲載しております。

日本のラムサール条約湿地
━ 豊かな自然・多様な湿地と賢明な利用 ━
発行:環境省
http://www.env.go.jp/nature/ramsar_wetland/pamph02/index.html
